自分の感覚ほど、相手へ伝えづらいものはないですよね。
おかげ様でミックスのご依頼を、何件も頂いているにも関わらず、
1度のやり取りで「これだ!」という答えを依頼者さんに示せたことがありません。

やり取りの中でよく出てくる言葉があります。

「音を太くする」
「繊細さを持たせる」
「インパクトを持たせる」

これらの言葉は、イメージを伝える上で便利な言葉ですが、
お互いに「どんな音が太い音なのか・繊細な音なのか・インパクトのある音なのか」というのは、認識に差があります。
こういった言葉を「ふわふわ表現」と言うことにします。

現在、私はこのふわふわ表現に頼って、依頼者さんとの方向性だけ決めたら、後は作ってすり合わせをしていくか~という形で進めています。

しかし、
自分のイメージの伝え方を工夫すれば、
もしくは相手のイメージを上手く聞き出すことができれば、
依頼者さんの要望により近付いた作品をお渡しできると思いました。

より短いスパンで完成品をお渡しすることができるようになれば、
依頼者さんはより早く作品を公開することができます。
私も、より多くの作品に関わることができるようになります。

お互いにメリットがあるので、少し考えてみました。
いままでのやり取りから「これなんかいいんじゃないかな?」という例を、
2つ取り上げてみようと思います。

実際の動画を見せながら話す

依頼者さんのイメージに一番近い動画を教えてください。
と依頼を受ける度に、聞いてみることにしています。
(最近は、聞かなくても教えてくれる方が増えましたが……)

お互いが同じような環境で育っていれば、感じ取れるのかもしれませんが、
感覚ってどうしても伝えづらいです。
特に文字だけだと、色々な捉え方が出来てしまうし、
細かく説明しようとすると文章もどんどん長くなってしまいます。

私は長い文章を読むのが結構好きなのですが、
私がだらだら書いた文章を見た人はきっと「こいつ何言ってるんだ…」と思われると思います。

なので、お互いのイメージを共有するために実際にある動画を使って、お互いの感覚をすり合わせることにしています。

具体的には…

・曲を通してのミックスが、完成イメージに近いもの
・ちょっと遊びで入れて欲しい効果の入ったもの(ボコーダーの機械声とか)
・各種エフェクトの使い方が近いもの

などなど…の動画を使いながら、イメージを伝えています。

粘り強くお互いのイメージを伝え合う

お互いに、ちゃんと伝わるまで根気強く話す。
ということです。

当たり前のことですが、お互いに忍耐力が必要なため意外と難しいです。

つい最近、仕事仲間に、
「コミュニケーションをする上で、自分が話したことは、半分も伝わっていれば御の字」
といわれました。

本やネットでよく見かける言葉ですが、
最近この言葉を痛感する出来事があったので、心に深く突き刺さっています。

皆さんにとっては当然のことだと思いますが、
コミュニケーションで私自身ができることは、

・わかりやすいように相手に考えを伝えること。
・相手の言葉を想像しながら、理解できるように努めること。

であって、

・相手がそれをどう受け止めるか
・相手がどう話すか

というところまではコントロール出来ないということです。

ミックスの話に戻しますが、
先ほどの動画を実際に見せながらやるのも、大切だと思います。

いままでのやり取りを振り返ると、
面倒でも1つ1つお互いに確認をしながら進めていくことが、
確実でミスも少なく、よりお互いに満足した作品が出来上がるのではないかと思います。

自分と合っている人と組むのが一番

結局は、安心して自分のイメージを伝えられる方と組むことが一番だと考えます。
どちらかが無理をする関係は長続きしませんし、
私も安心してお話できる相手だと仕事がしやすいです。

私は、できれば長く依頼者さん達と付き合いたいと考えているタイプです。
お互いに色々な話をしながら、理解を深めていくことで、その関係が作品にもいい効果をもたらすと考えているからです。

コミュニケーションは私にとって、なかなか根気のいる作業です。
中にはまったく理解できない意見もありますし、反発したくなる意見もあります。

ただ私がそう感じるということは、
相手も同じような気持ちになっていると思います。

ただそれも話してみないとわからないことなので、
どういった提案をしながら進めていけば、その人にとって一番いいのか、
探り探りミックス師を続けていこうと思います。


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